ドイツ青年のエントリ―シートの添削:生涯学習ノート
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昨年の秋、友人から日本企業に提出するドイツの青年のエントリ―シートを見てくれと頼まれた
日本語は話せる、というので某所で2人で会うことにした
外国人の書類を見るという作業は初めてである
彼が持参したエントリ―シートは日本の著名な光学機メーカーの所定用紙であった
その企業はドイツ市場への売り込みを図るための営業マンを求めていたのである
所定のエントリ―シートは各項目とも自由記載で字数の制限もなかったと記憶している
パソコンで打ち込まれた文章は長文ではあるが、まとまりと完成度を示していた
すでに多くの人々の添削指導を受けたという
提出前に念のため1度専門的な人から見てもらったらいいだろうということでこちらへ話がまわってきたのだろう
読んでいくと気になるところが出てくるがもう提出期限はせまっている
会話は自信があるが、文章は・・・と本人がいうので、思い切って文章の手直しはやめることにした
そこで書かれた内容についていろいろと質問してみることにした
日本に留学した動機、その後の各地での活動(仕事)の内容、現在の仙台での仕事、家族とのありかた、将来設計などについていろいろ聞いてみる
彼は話し方や態度がよく、日本語もうまい
中部地区の大学を卒業したあと学校関係などいろいろな仕事を経験している
そこで得たもの、感じたことなどについて聞いていくと、彼なりの視点と感性でもってきちんと話す
書いた文章のなかに「武士道」や「おもてなしの気持ち」などという言葉もある
日本という国や日本人の良さについて熱く語ってくれる
気がついたら予定の1時間はとっくに過ぎて2時間にもなっていた
こちらが気づきと元気をもらったような感じである
帰り際握手をして別れた
いつものことではあるが、帰るバスのなかで、もっと細かく文章をみて訂正してやるべきではなかったか、と反省しながら帰ったことを記憶している
年末だったと思うが友人から「書類がパスした」という連絡があった
忸怩たる思いがあっただけに、朗報に接し少し肩の荷がおりたような気分になる
そしてまた、つい先日「採用が決まった」という連絡が入ってきた
彼はドイツ留学の経験がある女性と仙台で知り合って結婚し子供もいる
採用になれば、喜んで家族でドイツへ引っ越すと話していた
ドイツで幸せな家庭を築いていくにちがいない
朗報に接し、自分の未来も明るくなるような気分になる